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序文

食べること という窓から社会をのぞいてみる。

そこから見える景色について考える。

生きることに思いを巡らす。

豊かさの意味や、幸せについて問いかけてみる。

ここは、そういう思考の実験場である。

 

あるいは、こうも言えるかもしれない。

食べること について、あらゆることを

俎上にのせるオープンなキッチンであると。

ともかく、料理する素材には事欠かない。

実際、食べること の言葉や画像の

あれやこれやは、どこにもかしこにも

溢れている。

氾濫している。

 

溢れているのに、何かが見えない。

溢れているのに、何かが足りない。

溢れているのに、満たされない。

 

僕たちは、大切なことを見失っている。

 

大地との絆は 宙に浮いた。

社会との繋がりは 寸断された。

孤独な心は 満たされない。

これは、事業である。しかし、

便利さや効率を期待しないで欲しい。

むしろ、

ゴツゴツした岩や小石を感じて、

裸足で土の上を歩いているような感覚を、

共にしたい。

 

空虚な言葉を並べたくない。

大地から生える草木のように、

根っこのある言葉を話し、活動をしたい。

価値創造とは、人を幸せにすること。

ハッピーを紡ぐ営み、それが仕事だ。

つまり、僕たちは

モノにもコトにも情報にも溢れた

この世界に感じる、どうしようもない

欠乏感を少しでも埋めたいのだ。

 

そのことで、誰かが少しでも幸せになれるのなら、

僕たちも幸せだ。

そして、それ以上に望むことはない。

2020年4月28日

新型コロナウィルスの世界の感染者が3百万人を超え、死者が20万人を超えた日

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